スマートハウスにHEMSが必要な理由

HEMSに限らず、エネルギー管理システム(EMS)が主に管理している対象は電力です。家庭の生活で消費するエネルギーうち、半分が電力という事から見ても非常に電力に頼る割合が多いのですが、それには当然理由があります。
電力は直接目で見る事ができないエネルギーであるものの、制御が非常に容易であるという性質があります。適切な方法を取れば、強めたりするのも弱めたりするのも自由自在という訳です。
また、電力は運搬に掛かる費用は非常に安く済みます。化石エネルギーならタンカーなりトラックなりで何トンという量を運ぶ必要がありますが、電力は電線さえ引けばどこにでも持っていけます。
それに加えて、別のエネルギーに変えようとした時に変換効率も良いのが電力の特徴です。例えば自動車で見た場合、ガソリンが燃えてエンジンを回すに力にするエネルギー効率は30%ほどと言われているのに対し、電気がモーターを回す効率は60%から80%という報告もあります。
このように、電力は非常に使い勝手の良いエネルギーですので、家庭で使う分には電気エネルギーに頼る割合を増やせば増やすほど、エネルギー的には効率の良い状態になるのですが、電力に対する需要と、それに掛ける手間の絶対量は上がってしまいます。そこで家庭単位でのより効率的な電気の使い方が出来るようにと考え出されたのが家庭向けエネルギー管理システム、つまりHEMSなのです。HEMSがあるからこそ、1世帯あたりの電力使用量が圧縮できるだけでなく、そこに住む人に省エネへの過度な負担を強いる事がなくなります。