エネルギー問題とEMS

今のところ、人間が大きなエネルギーを得ようと思った場合に、主に使われるのが化石燃料からのエネルギーです。石油をはじめ、石炭、天然ガスなどを地下から採掘し、それを燃やす事で一番最初の動力にする訳です。電力がいくら効率の良いエネルギーだと言っても、その電力のおおもとは火力発電からのものが主流となっている点は忘れてはいけません。
火力発電と言うと、化石燃料をがんがん燃やしているイメージがありますが、実は技術的に一番充実している発電方法です。現在の火力発電は最初に発生させた熱を極力逃がさない構造で実に60%というエネルギー効率を持ち、しかも燃料がある限りずっと安定した電力を供給できます。その上、燃焼で出来たガスなどは再利用されるかフィルターで漉し取られて非常にクリーンな排気になっています。
再生可能エネルギーとして、水力や風力といったエネルギーがありますが、これらは、エネルギー変換効率では火力に遠く及ばないばかりでなく、「安定して大容量の電力を供給できない」という点が主流になれない理由なのです。原子力発電は安定性については非常に高い発電なのですが、三陸沖地震での事故で問題になったように、使用する燃料の安全性に大きな不安を抱えている為、これもまた選択肢から外れようとしています。
そんな中で、エネルギーとどう向き合うか、という事は個人レベルでも避けては通れない課題になっています。ひとりひとりのエネルギーに対する取り組みの効果は小さくても、それが1億人集まれば膨大なものになります。その意味で、エネルギー管理システム(
EMS)は有効な選択肢の一つと言えるでしょう。