スマートハウスを作る意義

ここまで読んできた皆さんなら、スマートハウスがどんなものか大体お分かりいただけたかと思います。中には、この先家を建てるなら、是非スマートハウスにしたい、と思い立たれた方も居るでしょう。そんな方の為に、今現在、つまり2010年代以降のスマートハウスに関わる事についていくつか説明しておきたいと思います。
まず、スマートハウスという考え方は20年近く前に生まれたものですが、いまだにはっきりと定義されたものではない、という事は覚えて置いて下さい。とは言え、これがスマートハウスだ、という物の一つの解答が、エネルギー管理システム(EMS)を組み込んだ、HEMS搭載住宅である事も確かです。
世の中がまだ20世紀だった頃、家の中の家電類は全て全自動になり、照明やテレビは必要な時にサッと電源が入り、冷暖房などの空調は常に快適な状態に保たれ、調理や洗濯、掃除などは設定した時間が来れば終っている、などという事が夢の一つとして語られていました。そして、今こそは、その未来=21世紀になっています。かつて思い描いた未来はまだ完全に実現していませんが、そのヒントとなる技術が、HEMSという訳です。
もちろんHEMSはそうした未来志向だけでなく、現実問題として、増加の一途を辿るエネルギー消費への対策という一面もあります。その為、HEMSを開発する関連業界だけでなく、国もまたこの技術に関心を寄せ、補助金や助成金といった形で後押しをしてくれています。スマートハウスというものは、最初の発想から実際に住んで使うところまで、色々と「スマート」にする事を求められるものなのです。