家をスマートにする為には…

先にもちょっとだけ書きましたが、実はスマートハウスという物についてはこれという決った定義はありません。一応最初に考えられた構想としては、何かで建物の中の環境を制御させて、自動的に住むのに良い状況にする家という理想があって、制御といえばコンピュータによる監視が一番分りやすくて作りやすい、といった程度の括りでした。
しかし、当時のコンピュータは、まだそこまで高性能でもなく、気軽に使えるほど安価でもありませんでした。その結果、色んな企業や研究機関がそれぞれの考えるスマートハウスを考え出し、端的に言えば「考え出した人がスマートハウスと思えばそれはスマートハウス」という事も不可能ではありません。
ただ、この状況では、「どうせ家を建てるのならスマートハウスにしたい」と考えている人にとって、選択肢が多い分非常に迷ってしまう事でしょう。極端な話、家庭用太陽光発電システムを載せただけでもスマートハウスと言い張れば通ってしまうからです。
ですから、現在スマートハウスと言えば、家庭用エネルギー監視システム(HEMS:ヘムス)を組み込んだ物と、環境利用あるいは環境配慮型設計の物という二つの大きな流れがあると覚えておく必要があります。家庭用エネルギー監視システムは、コンピュータで家の中の様々な機器、施設をコントロールしようという考え方の延長線上にある物です。環境利用あるいは環境配慮型設計とは、それ以外の様々な工夫を包括する家の作り方の部分を指しますが、この二つは完全に分離しているわけではなく、微妙に重なり合いながら相乗効果を狙って用いられている事もあります。