これからのスマートハウスの課題

スマートハウスは20世紀の末に提唱された割と新しい概念です。かつてあったホームオートメーションや、電脳住宅といった物の流れを受け継ぎながら、エネルギー消費問題の解決への提言として、HEMSという形をようやく取ったばかりです。
HEMSをはじめとするエネルギー管理システム(EMS)では、色んな機械同士を連絡して一つのシステムにするには、機械同士を繋げる仕組みが整っていないといけない事、そのための規格としてエコネットライト(ECHONET lite)があるという事は前に説明した通りですが、実はこのエコネットライトは日本国内だけの規格です。つまり、EMSに関しては、インターネットのような世界標準がまだありません。ということは、今後まだまだ改良されたり、仕様変更されたりする可能性があるという事です。EMSは確かに今の最先端ではありますが、もう少し未来の状況次第では互換性の低いシステムに取って代わられる場合もあり得ます。
そしてそれだけのリスクがありながら、EMSの対応機器を作るためにはそれなりにコストが掛かります。更に困った事に、新しい技術である為に一般の知名度がまだまだ低いのが現状です。長期的に見れば非常に成長が見込める市場として多くの機械、家電、そして住宅メーカーが協力してはいるのですが、長期展望の市場だからこそ、どうしても現在が過渡的な状態であるという事は避けられません。その結果、消費者としては費用対効果がさほど高くないと分りながらも利用せざるを得ないというのが悩ましいところです。