スマートハウスという考え方

家という物は言うまでもなく、人が生活をする上で重要な拠点となる場所です。自然の風雨を防ぎ、季節による寒暖を和らげて、食事や睡眠といった、生きるのに欠かせない事柄を安心、安全に行う事が出来る様にするのが、いままでの家の役割でした。
ところが、現代社会の様に、多くの人間が街中に密集して生活する様になってくると、それだけでは物足りなくなっていきました。確かに家は安心、安全な場所には違いないのですが、火事などの災害に遭う事もあれば、空き巣や強盗などの事件に見舞われる可能性だってあります。そこまで極端でなくとも、出かけるときに冷暖房を付けっぱなしにしていなかったか、とか、ガスの元栓はどうだったろうか、と不安になった事はどなたでも一度ならず経験しているかと思います。スマートハウスとは、そうした生活上の不安を解消する為に産まれた考え方です。
具体的には、1980年代のアメリカで言われ始めた構想で、家の中を小さなネットワーク環境と看做して、家人の行動や、家電の働きをチェックし、その時に最適な環境へと自動的に調整してくれるものです。一番判り易いものが、それぞれの家電にコンピュータを取り付け、更にそれらを統合するコンピュータで一元管理するというものがあります。一方で、建物自体の素材や造りを人間工学に沿って設計し、電子機械に頼らない方法で住むのに快適な環境を提供するというものもあります。
どの方法に頼るにしろ、スマートハウスと呼ばれるものには、様々な工夫や技術が織り込まれており、非常に広い分野の企業が関心を寄せているものなのです。