蓄エネ~万が一に備えて

スマートハウスと言うと、コンピュータによる家庭内のエネルギー管理が表に出ていますが、スマートハウスはそれだけを指す言葉ではありません。確かにスマートハウス自体に明確な定義はありませんが、言葉の意味から考えると、スマート(Smart)というのは様々な状況に対して卒なく対応するという事ですから、非常に広い分野を含むことができます。その意味では、「蓄エネ」という行為もスマートハウスの機能の内に入ります。
蓄エネで一番判り易いのが、二次電池を備え付けるという事です。二次電池とは、俗に言うバッテリー装置の事です。万が一家庭に電源が供給されない場合に、ここに貯めた電気を使うのですが、その「いつ二次電池を使うのか」という所を、スマートハウスの中の電源管理するシステムに任せれば、普段は充電しながらも、通常の電力を使って過ごす事ができます。
もちろん、蓄エネはそれだけでなく、例えば窓を大きく作る一方で、壁や床、屋根を遮暖性の高い素材で作る、というのも範疇に入ります。窓からの日光で適度な明るさと放射熱を利用しつつ、その熱を逃がさない、というのは家の中に熱というエネルギーを蓄える行為になります。
日本では、ここ十数年の間に、何度か大きな地震の被害に遭いました。地震自体も確かに怖い災害ですが、一番の悩みどころは地震の所為で電気、水道といった生活に不可欠なインフラ設備が破壊されてしまう点です。スマートハウスは、たとえそういった災害でインフラが使えなくなっても、救助が来るまでの間ぐらいは自力で何とか過ごせる為の方法を確保する、という考え方も含んでいるのです。