IT技術とスマート

スマートハウスにとって、IT技術の発達は不可欠なものでした。スマートハウスのもともとの構想が、家の中にある様々な情報を受けて、各設備をコントロールする事でしたので、コンピュータと、それを運用するためのソフトウェアが必要だったのです。
幸いにして、コンピュータの世界は非常に進歩が早く、スマートハウスの概念が提唱された1980年代から僅か20年ほどで、現在のスマートフォンでさえも当時の最新機器の数千倍の処理能力と記憶容量を持つ様になっています。加えて、インターネットの普及は、最近ではクラウドネットワーキングという考え方さえ出てきているほどです。
実は、インターネットで各種サイトや動画を見る事が出来る理由の両輪に、一つにはそうした大きなデータを扱える機械が、もう一つはデータを扱う為の共通の通信規格(プロトコル)の両方が揃っているという事があります。
機械の性能が高いほど良いのは言うまでもありませんが、機械同士を繋ぐときには、「繋いだらすぐに使える」という事がかなり重要な事になります。その為には、ある機械がもっている情報は、その情報を使いたい別の機械がすぐに利用できなければいけないのです。インターネットの世界では、そうした事が当たり前になっていましたが、家の中の機械、つまり家電は今まではそれ単体で完結していた為、そういった共通規格は必要が無かった側面もあります。
しかし現在では、コンピュータそのものが安価で高性能になった事と、インターネットのノウハウが生かせるようになったため、家電にもネットワークの機能を搭載して動かす事が現実的になった事が、過去から比べると非常に大きな変化なのです。