EMSが取り持つ企業間の技術共有

HEMS認証センターという施設があるのをご存知でしょうか。正式には、「神奈川工科大学工学教育研究推進機構 スマートハウス研究センター」と言うのですが、HEMS向けに作られた機器の認証申請支援のほか、製品開発環境を開発者に提供したり、開発した製品の接続環境のテストを行っています。
HEMSには、エコネットライト(ECHONET Lite)という規格が設定されていて、この規格を持っている機械同士ならすぐに接続してHEMSに組み込める、となっていますが、商品として売り出す前にその機械がちゃんと動くかどうかテストする必要があります。今までの製品であれば、極端な話、電源プラグに差して動けばそれで良かったのですが、HEMS対応となると、それに加えてちゃんと情報がやりとりできるか、そして、その情報の通りに動くか、という事も検証する必要があります。
この確認作業が実はなかなかに大変で、実際の使用状況を再現する為には、HEMSの設備丸ごとを用意する必要があります。簡単に言えば、テスト用の家一軒作らなければいけないという事です。これは機械を作る企業には大きな負担となり、その負担の大きさはコスト、つまり機械の値段に跳ね返っていきます。仮にそうしたテスト環境を作れる企業だったとしても、エコネットライト自体はあくまで共通規格ですので、他の会社のどんな機械とでもちゃんと繋げられなくてはいけません。要するに、「想定外への対応」を迫られる機会が増えてしまうのです。
そうした負担を業界全体で背負い、新たな市場を作り上げていく為に、企業同士が連携し、経済的な提携(アライアンス)を発足させました。その発現の一つが、先に挙げたHEMS認証センターなのです。