母親へ「懐かしき日本の歌」をプレゼント

さまざまなことを忘れ始めても、歌を歌うことだけは忘れない私の母。幼いころ歌ったと思われる「赤とんぼ」や「椰子の実」などは私もしっかり身についています。「椰子の実」の歌をキレイに歌えたことで、当時の音楽科のある高校に入学できたことは今でも母に感謝しているほどです。そんな母は毎日歌を歌って過ごしているので、「なつかしき日本の歌」のCDを誕生日にプレゼントすることにしました。
通信講座のユーキャンが運営するショップ限定の商品で、母が大好きな曲ばかりが網羅されていました。特に、美空ひばりさんが歌われている「荒城の月」は普段感情を表さない母が涙を流し始めたほどです。美空ひばりさん世代に育った母ですので、とても胸を打たれたんだと思います。このCDのラインナップを見ていくと、今大ブレイク中の由紀さおりさん、安田祥子さんのデュエットや母が熱狂したんじゃないかと思われる藤山一郎さんの声も聴くことができるんですね。知っている曲はCDと一緒にとても楽しそうに歌っています。このごろ、食事中でも突然に歌い始めるので、母の独演会が始まってしまうほどです。以前は顔をしかめていた夫も母の楽しそうな表情を見て、この歌のCDを私が選んだことを褒めてくれます。
私が生まれる前後に流行った曲が中心ですが、私でも知っている曲が多く、時折母と一緒に歌う機会も出てきました。嫁と姑の関係でなかなかお互いの意思疎通ができなかった時期もあったのですが、こうやって一緒に歌っていると時間はかかったけれど本当の親子になれたんじゃないかなぁって実感しています。介護する側の気持ちも軽くなります。