落語が大好きな私の父。大学在学中は落語研究会に所属し、本気で落語の世界に足を踏み入れようかと考えた時期もあったようです。このごろ落語の番組がめっきり減ってしまい、落語などの古典芸能は劇場まで足を運ばないと見ることができなくなってしまいました。
そこで父親への誕生日プレゼントとして「JAL名人会 落語傑作選」というCDをプレゼントしました。本来ならば噺家さんの身振りや表情も一緒に見せてあげるべきなのですが、このCDは名前を残した噺家さんばかりのラインナップ。声だけでも十分臨場感を得ることができると思っての選択です。
ユーキャン通販ショップ限定の商品なのですが、びっくりしたのはこのCDはかつて飛行機の中でしか聴くことができなかった音源であることです。これだったら、身ぶりや表情という補うものがなくても声色だけで十分落語の楽しさを感じることができますよね。このCDを受け取った父は「なつかしい噺家がたくさんだなぁ」と言っていました。
すでに亡くなっている噺家さんの一席も入っていたので、とても懐かしく聴き入っていました。父が突然「この話、大学時代にまねたことがあるんだよ」と扇子を探し出して座布団の上にひょいと乗り上がりました。「すっかり忘れちゃってたけど、久しぶりに最後まで演じ切れるかなぁ」と即席高座が始まりました。照れが残っていたのか記憶を手繰りながらの落語だったからかぎこちなかったけれど、誕生日の良いイベントとなりました。